2014年4月号 事業者相談 景品表示法相談編 「販売価格の表示について」

■相談内容

当社はこれまで内税表示で販売してきたが、4月からの消費税引き上げの際に価格を据え置きたいと思っている。その際、顧客から、消費税引き上げに伴う販売価格の問い合わせに対し、「価格据え置きです」と答えるのは何か法律に違反するか。

■回答

「価格据え置き」等の表示については、消費者庁が平成25年9月10日に公表した「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方」によれば、(1)から(7)のとおり、「次のような表示は景品表示法上問題となるおそれがある。」とされています。
しかし、従来から販売してきた商品について、増税後も販売業者が自社のマージンを削るなどして3%アップ分を負担する場合もあり得ますので、きちんと説明できる根拠があれば、単に「販売価格は据え置きです」という表示を行うことが直ちに不当表示になるというものではありません。

【禁止される表示例】
(1)消費税率引上げ前の相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない価格にもかかわらず、当該価格で消費税率引上げ以降も販売しているかのような「価格据え置き」等の表示 (注)
(2)消費税率の引上げに際して、商品の内容量を減らしているなど、当該商品の販売価格に影響する要素が同一ではないにもかかわらず、その旨を明確に示さずに行う「価格据え置き」等の表示 (注)
(3)実際には、その小売事業者が過去の販売価格等より消費税率の引上げ幅又は消費税率と一致する率の値引きをしていないにもかかわらず、これらの率を値引きしているかのような「3%値引き」、「8%値引き」等の表示 (注)
(4)二重価格表示(自己の販売価格に当該販売価格よりも高い他の価格(以下「比較対照価格」という)を併記して表示することをいう)を行う場合に、税抜きの販売価格等の比較対照価格として、税込みのメーカー希望小売価格等を用いる表示
(5)消費税率の引上げに際して、事業者の販売価格等について、実際には消費税率の引上げ分相当額を超えて値上げしたにもかかわらず、消費税率の引上げ分相当額しか値上げしていないかのような表示
(6)非課税の商品又は役務は、土地、有価証券などごく限られているのに、それ以外の商品又は役務について、消費税が課税されていないかの表示
(7)免税事業者でないにもかかわらず、免税事業者であるかのような表示、又は免税事業者と取引していないにもかかわらず、免税事業者と取引しているかのような表示
(注)「価格据え置き」など過去の販売価格等のままで販売しているかのような表示や「3%値引き」など過去の販売価格等から一定率値引きしているかのような表示について、一般消費者は、通常、同一の商品が当該価格で当該表示が行われている前の相当期間販売されていたと認識するものと考えられる。したがって、消費税率引上げ直前に値上げを行った場合の値上げ後の価格や内容量を減らす前の価格など、同一の商品について最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない価格を前提に消費税率引上げ以降「価格据え置き」や「3%値引き」等の表示を行う場合は、一般消費者に消費税率引上げ以降における販売価格が、同一の商品が消費税率引上げ前の最近相当期間にわたって販売されていた価格と同じ価格である又はその価格から表示された率が値引きされているとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある
(消費者庁ホームページより抜粋)

また、「消費税分お安くします。」など消費税を転嫁していないかのような表示等は、有利誤認となるおそれがあることから、消費税と関連付けたキャッチコピーを表示することが禁じられています。
詳しくは、消費者庁が平成25年9月10日に公表した「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方」「消費税の手引き」等に掲載されていますので御覧ください。

調査役 地主園 彰治

景表法の相談は 03-5651-1139まで(平日10:00~12:00/13:00~17:00)

 

 

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