Japan Direct Marketing Association

公益社団法人 日本通信販売協会 JADMA

通信販売業における製品事故への対応に関するガイドライン

平成18年12月6日、消費生活用製品安全法が改正公布され、製品の事故が発生した場合の小売販売事業者による事故情報の収集やメーカーとの連携、体制整備、消費者への情報提供に係る努力義務規定が制定されました。同法では、メーカー、輸入業者は経済産業大臣への報告が義務付けられており、小売事業者は法的義務付けはありません。しかしながら、製品事故が発生した場合、消費者により近い立場の小売事業者として、また、購入者の特定は他の業界より容易であるという特性を活用し、以下の規定を参照の上、従来以上に安全確保の観点から、情報収集と提供、ならびに速やかな対応を行うことが望まれます。



1.製品事故情報の収集及び提供について

お客様から製品事故に関する情報(以下「製品事故情報」)がもたらされたときは、以下のような対応が図れるよう、社内の体制整備を図る。


(1)お客様対応窓口で受け付けた製品事故情報は、すみやかに危機管理部門などに報告し、情報の一元管理を行うこと
(2)危機管理部門からメーカー、輸入事業者等(以下「メーカー等」)に製品事故の発生を速やかに通知し、事故原因に関する情報を収集すること。
(3)メーカー等と連携して、ホームページ、ダイレクトメール、e-mailなどを利用して製品事故情報を直接お客様に提供すること。

2. 事故製品の回収について

メーカー等が事故製品の回収を行うときは、以下のような協力を行うこと。

(1)製品の販売中止。
(2)販売数量等の把握に努めること。
(3)メーカー等と連携して、ホームページ、ダイレクトメール、e-mailなどを利用して製品事故情報を直接お客様に提供すること。

3. メーカー等との連携について

製品事故を未然に防止するため、メーカー等と連携し、日頃から製品安全の向上のための努力を行うこと。

(1)メーカー等と協力し、製品事故情報の収集に努め、より安全な商品の提供 に努めること。
(2)メーカー等に対し、お客様からの情報などに基づき製品の安全対策向上のための提案を行うこと。
(3)メーカー等の協力を得て、お客様に対し製品の安全な使い方について周知 すること。
(4)メーカー等と協力して、製品購入後のアフターサービス、特に安全面につ いて充実を図ること

4. 危機管理体制の強化について

製品事故対応は、社内危機管理体系の中に位置づけ、まずは危機管理を行うべき複数の要素を洗い出すことからはじめる。例えばリスクマップ(別紙参照)の作成や複数の要素のうち、最重要ランクの製品事故に関して、具体的な施策を検討する。

(1)指示はトップダウンが望ましい。
(2)担当役員を置き、その責務を明確にする。
(3)危機管理部門の専従者を置くか否かの検討が必要。一般的には兼務が多い。
(4)通常の組織とは別に「危機管理委員会」、「安全管理委員会」などを設置し、委員長は経営トップ、各委員は各部門から参加する。各部門横断型組織として、相互チェックを可能にしておく。
(5)軽微な事故発生時の対応フローチャート、事故報告書を作成
(6)重大な事故発生時の対応フローチャート、事故報告書を作成
(7)フローチャート作成時には、全ての関係者を洗い出し、反映させる。
(8)危機管理体制は、業務監査の対象とする。

製品事故が発生した場合の具体的対応

1. お客様への対応について

1-1同種の製品事故情報の提供が1~2件の場合

(1)事故の程度、内容を正確に把握すること。
(2)事故の原因を究明するため、当該商品を返送してもらい、メーカー等へ通知し、商品検査を実施すること。
(3) メーカー等の事情によっては、検査機関に対し、販売会社が独自に原因究明の依頼を行うこと。
(4) 原因究明の進捗状況をお客様へ回答すること(原則として1週間以内、遅くとも2週間以内が望ましい。)
(5) 製品不良が判明したときは、販売を中止し、お客様へ通知し、適切な対応を行うこと。

1-2 同種の製品事故情報の提供が3件以上の場合又は重大事故が発生した場合

(1)ただちに販売を中止すること。
(2)当該商品のお客様に対しては、すみやかに事故情報をご案内し、ただちに使用を中止していただくこと。
(3) メーカー等へ通知すること。
(4) メーカー等へ原因究明の依頼を行うこと。
(5) メーカー等の事情によっては、検査機関に対し、販売会社が独自に原因究明の依頼を行うこと。
(6) 原因究明の進捗状況をお客様へ回答すること(原則として1週間以内、遅くとも2週間以内が望ましい)。
(7)製品不良が判明したときは、お客様に通知すること。
(8)メーカー等と連携し、事故の程度、内容を正確に把握し、お客様に対し補償等、適切な対応を行うこと。 事故の程度、内容を正確に把握すること。

2.メーカー等への対応

2-1同種の製品事故情報の提供が1~2件の場合

(1)メーカー等への通知及び類似案件の有無を照会すること。
(2)メーカー等へ原因究明の依頼を行うこと。
(3) 製品不良が判明したときは、販売を中止する旨メーカー等へ通知し、お客様への適切な対応について協力を要請すること。
(4) メーカー等が事故製品の回収を行うときは、ガイドライン 2. に基づいて協力すること。

2-2 同種の製品事故情報の提供が3件以上の場合又は重大事故が発生した場合

(1)メーカー等へ通知し、ただちに販売を中止すること。
(2)メーカー等へ原因究明の依頼を行うこと。
(3)メーカー等の事情によっては、検査機関に対し、販売会社が独自に原因究明の依頼を行うこと。
(4) 製品不良が判明したときは、メーカー等へお客様への適切な対応について協力を要請すること。
(5)メーカー等が事故製品の回収を行うときは、ガイドライン 2. に基づいて協力すること。

※通販会社自らが製品の製造や輸入に直接関与している場合は、メーカー、輸入業者と同じく、法的義務を負う。 ※通販会社が自ら製品を製造、輸入していない場合であっても、製品の企画、開発に関与している場合は、メーカー等と密接に連携して製品事故に対応することが肝要である。



公益社団法人 日本通信販売協会
平成19年3月13日制定




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