2026年2月19日
価格表示ガイドラインにおける二重価格表示に係る解釈について

はじめに
二重価格表示については消費者庁が公表している価格表示ガイドライン(平成28年4月1日改定)が参考になりますが、最近、二重価格表示セールに関して類似の相談が寄せられました。以前にもここで紹介したことがありますが、ガイドラインを読むだけでは誤解しがちな問題でもあるので、今回改めて取り上げることにしました。
相談
通常価格を比較対照価格とする二重価格表示セールを行いたいが、最近、セール期間だけがお得であると訴求するセールについて、セール期間の終了後も継続して実施したことが景表法違反とされているため、今回は当面セールの期間を定めずに行うこととし、販売状況をみてセールを終了させたい。ガイドラインでは、「セール開始時点からさかのぼる8週間について検討され…(略)、当該商品が販売されていた期間の過半を占めているときには、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよい」とあり、今回はセール開始時点でクリアできているので、セール期間を表示せず実施しても問題はないか。
助言
セール期間を表示しないのならセールは4週以内に終わらせる
消費者庁が公表している価格表示ガイドラインでは、「二重価格表示を行う最近時(最近時についてはセール開始時点からさかのぼる8週間について検討されるものとする)において、当該価格で販売されていた期間の過半を占めているときには、最近相当期間にわたって販売されていた価格とみてもよいと考えられる」とされ、加えて、この要件を満たす場合であっても、当該価格で販売されていた期間が通算して2週間未満の場合、又は当該価格で販売された最後の日から2週間以上経過している場合においては、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえないものと考えられるとされています。
これをまとめると、①セール開始時点からさかのぼり直近8週間のうち商品を販売していた期間の過半の期間で販売されていた価格であること、②当該価格で通算して2週間以上販売していること、③当該価格での最終販売日から2週間以上経過していないこと、の3つの要件を満たせば、最近相当期間にわたって販売されていた価格と認められることになります。ただ、①の要件について、ガイドライン上では「セール開始時点からさかのぼる8週間について検討する」とされているものの、消費者庁担当課長が編集した解説書では、原則として、③については(最終販売日から2週間以上経過していない)、セールの開始時点で成立していれば足りると考えられるが、①についてはセールが終わるまで常に成立している必要があり、①が満たされなくなった後は、セールを継続すること自体は何の問題もないものの、当初の二重価格表示を継続することは景品表示法上問題となるおそれがある」とされています。つまり、販売期間の過半というのは、セール開始時点で満たしているだけではなく、セール期間中もずっと充足しないといけないということなのです。
今回の相談では、セール期間を定めずに二重価格表示セールを行うということですので、セール開始後5週目に入ると、そこから8週間さかのぼるとセール前価格の販売が8週間の過半を超えなくなり、要件を満たさなくなってしまいます。したがって、セール期間を定めずに実施するのであれば4週間以内には一旦終わらせなければならないことになり注意を要します。
なお、この解説書では、セール期間が明示されている場合には、一般消費者にとって価格の変化の過程が明らかであり、セール期間中に(過半の)要件が満たされなくなったとしても直ちに問題にはならないとされています。これは、あらかじめセール期間を明示すれば、比較対照価格がセール開始日からさかのぼった8週間での価格とわかるので、問題は生じないということなのだと思います。