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機能性表示食品制度の改正のポイントと対応策2 ~いわゆる「健康食品」との関連が疑われる健康被害情報の提供の義務化~
広告表示法律関係

2025年12月22日

機能性表示食品制度の改正のポイントと対応策2 ~いわゆる「健康食品」との関連が疑われる健康被害情報の提供の義務化~

機能性表示食品制度の改正のポイントと対応策2 ~いわゆる「健康食品」との関連が疑われる健康被害情報の提供の義務化~

特別寄稿

厚生労働省 健康・生活衛生局 食品監視安全課

昨年9月より健康被害情報の報告義務化などが施行され、来年にはGMP基準の適用・パッケージ表示の見直しが予定されている『機能性表示食品制度』については、JADMAでも7月に関連するセミナーを開催するなど、改めて関連事業者に向けた周知を行っている。
今号では、厚生労働省より、すでに施行されている健康被害情報提供の義務化について、現状と今後の取組を解説いただいた。

1.機能性表示食品等との関連が疑われる健康被害の情報提供の義務化の背景及び概要

令和6年に発生した紅麹関連製品による健康被害事案では、事業者が健康被害に関する情報を行政に報告すべきかどうかについて、内部で一定の結論を得てから判断したため、行政への情報提供までに約2カ月を要しました。この事案で問題となった製品については、摂取を中止することにより症状の改善が期待されました。そのため、このような事案において、健康被害の拡大を防止するためには、行政が健康被害の発生を速やかに探知し、必要に応じて、流通を止めるための措置を迅速に講じることが重要であると考えられました。

従前から食品等事業者には、健康被害と疑われる情報を把握した場合に都道府県知事等へ情報提供するという努力義務が課されています。今回の改正では、この食品全般に係る情報提供の努力義務を維持したまま、食品衛生法に基づく食品衛生法施行規則別表第17において、「営業者のうち、機能性表示食品の届出者及び特定保健用食品に係る許可を受けた者は、これらの食品による健康被害に関する情報を収集するとともに、健康被害の発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合には、速やかに、当該情報を都道府県知事等に提供すること」を定めました。これにより、機能性表示食品及び特定保健用食品について、従来は努力義務だった健康被害の情報提供を義務化したことになります。また、「機能性表示食品等に係る健康被害の情報提供について」(令和6年8月23日付け健生食監発0823第3号)において、情報提供までの期間について、「概ね30日以内に同じ所見の症例が複数発生した場合」及び「1例の場合であっても重篤例」は、15日以内とすることを示しています(図)。

また、容器包装に入れられた食品のうち、常温で保存することができるものを販売する等の営業者については、これまでは、衛生管理計画を「必要に応じて」作成することとされていましたが、今回の改正で、これらを含むすべての届出者等に対して、健康被害に関する情報収集と情報提供の義務に係る衛生管理計画を作成し、これを遵守することを義務付けています。ただし、届出者等の負担に鑑み、

・機能性表示食品の届出の際に消費者庁に提出する健康被害情報の収集体制に係る資料

・特定保健用食品の許可の申請の際に消費者庁に提出する健康被害情報の収集体制に係る資料

について、今回の改正内容を踏まえた適切な内容になっていれば、これらの資料をもって衛生管理計画の代わりとすることができることとしています。

2.厚生労働省に報告された健康被害情報への対応

都道府県知事等に提供された健康被害情報については、厚生労働省に集約し、食品衛生法上の措置の要否について「機能性表示食品等の健康被害情報への対応に関する小委員会」で検討を行った上で、定期的に結果を公表しています。具体的には、食品衛生監視部会の下に、「機能性表示食品等の健康被害情報への対応に関する小委員会」を設置し、専門的知見等に基づいた対応を検討しています。また、専門の事項について検討を行う必要がある場合は、小委員会の下にワーキンググループを置くことや必要に応じて外部の有識者等に意見を求めることができます。

小委員会は、いわゆる「健康食品」との関連が疑われる健康被害情報に対して、食品衛生法上の措置の要否についての検討を行い、食品衛生法上の措置が必要と判断された場合、食品衛生監視部会等においてさらに議論・検討します。食品衛生法上の措置としては、短期的対応として、注意喚起・改善指導(運用上の対応)又は流通防止措置(法第6条違反による法第59条の適用)などが、中・長期的対応として、基準策定(法第13条)、販売禁止措置(法第6条、法第7条)又は指定成分措置(法第8条)などが考えられます。

令和7年6月末時点で「機能性表示食品等の健康被害情報への対応に関する小委員会」を8回開催しており、流通防止等の食品衛生法上の短期的な措置や、食品衛生法第13条に基づく規格基準の策定等の消費者庁への申し送りの検討が必要とされた製品はありませんでした。

3.食品監視体制の強化のための体制整備(食品健康被害情報管理室の設置等)

機能性表示食品等に係る健康被害に関する情報提供が義務化され、厚生労働省に報告される健康被害報告が増加することが想定されたこと及び重大な健康被害が確認され、食品衛生法に基づく措置を講じる必要が生じる場合には、関係機関等との迅速な協議・調整が必要となることから、令和7年4月に厚生労働省の内部組織に関する訓令(平成13年厚生労働省訓第1号)を改正し、「食中毒被害情報管理室(訓令室)」を廃止し、厚生労働省組織規則(平成13年厚生労働省令第1号)を改正し、「食品健康被害情報管理室(省令室)」を設置しました。また、健康被害情報の増加に伴う、情報の整理や審議会の開催、関係機関等との協議・調整を円滑に行うために、新たに6名の増員を行い、組織の訓令室から省令室への格上げとあわせて健康被害情報の収集等に係る体制の強化を図りました。

4.情報提供のDX化に向けた取組

いわゆる「健康食品」等による健康被害の拡大を防止するためには、行政が健康被害の発生を速やかに探知し、必要に応じて、流通を止めるための措置を迅速に講じることが重要です。そのため、機能性表示食品の届出者等が健康被害の情報提供を速やかに行うことができるとともに、提供された健康被害情報を行政において迅速に集計及び分析できるようにするため、いわゆる「健康食品」との関連が疑われる健康被害情報についてシステムを用いて報告できるよう検討を進めています。また、システム化にともない、情報提供票の内容を整理し、より効果的な情報収集ができるよう検討を進めています。

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