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【講演詳細】第6回「次世代コマース大賞」開催レポート
セミナー報告

【講演詳細】第6回「次世代コマース大賞」開催レポート

【講演詳細】第6回「次世代コマース大賞」開催レポート

はじめに

1月21日に、6回目となる「次世代コマース大賞」受賞記念講演をオンラインで開催した。大賞の有限会社谷治新太郎商店 代表取締役 谷治大典氏ならびに特別賞のgoooods株式会社 代表取締役CEO 菅野圭介氏が登壇した。

大賞受賞の谷治新太郎商店 谷治大典代表は、ECに関する知識がないところから卒塔婆のECサイトを立ち上げた。売上が徐々に減っており、営業活動の結果が出ない中で、藁をも掴む思いでECサイトを始めた。うまくいった施策の一つとして、卒塔婆のバラ売りを挙げた。把握している限りでは、一本から卒塔婆を購入できるのは同社のみと話し、
「当初は、サンプル希望のお客様には無料で送っていたが、卒塔婆代と送料の負担が大きかった。正規品を買ってくれればいいが、サンプル注文のみでその後注文がないということもあり悩んでいたところ、お客様から、無料だと遠慮して多くの種類は試せないとも言われたため、小ロットでの対応を社内で提案したところ、社員から、どうせならバラ売りをしたらどうかという意見があった。ただ、卒塔婆は細長いため、送料が高くなる。どの配送業者を使っても、商品代金よりも配送料金の方が高いという問題が生じる。それでも買ってくれる人がいるかもしれないと、思い切ってバラ売りを始めた。

その結果、初めてのお客様はバラ売りで多くの種類の卒塔婆をお試しで買っていただき、現物を見て安心した上で、バラ売りから500本、1,000本という大口の注文につなぐこともできた。今ではバラ売りは注目されるサービスとなっており、非常に好評」と説明した。

特別賞受賞のgoooods株式会社は、メーカーなどを中心に、販路の開拓・受発注業務・決済をワンストップでサポートする卸産業のプラットフォームサービスを展開している。菅野圭介代表は、同社のサービスを次のように説明した。

バイヤーが同社のサイトに登録する時には必ず審査をし、運営サイト、仕入れたい商品、顧客層など様々な情報を入力してもらう。入力された情報から、そのバイヤーに合いそうな商品やコンセプトを自動的にLLM(Large Language Model)で抽出し、関連した商品を表示している。バイヤーのプロフィール情報登録直後から、「バイヤーが売れる」商品の魅力を伝えていくような設計になっている。自社の商品を大事にしており、雑多な商品の中の一つと扱われるのではなく、自社の商品の背景の情報もしっかり伝えたいというメーカー側の意見に対応したデザインや、ユーザーインターフェースにもこだわっている。

その他の特徴として、グッズのサービスを利用しているバイヤーは、約半分がメーカー側から招待されたバイヤーで成立していることを紹介し、
「その際、招待されたバイヤーと招待元のメーカーの二社間に限っては、手数料をいただかない仕組みになっており、新たな卸との取引に消極的なバイヤーにも、手数料不要ということで発注作業のデジタル化を促している」と述べた。

「次世代コマース大賞」は、EC分野において消費者のニーズに対応した先進的な施策を展開している事業者を表彰するイベント(※「Next-generation Commerce Award」より改称)で、今後も年に1回のペースで開催予定。