顧客対応
「(企業と)連絡がとれない」に関する相談が増加。事業者のより一層の取り組みが求められる

24年度における消費者相談のうち、「連絡がとれない」に関する相談は前年度の176件から240件と、前年度比+36.4%となり大幅に増加した。苦情に関する項目上位5項目の中で、唯一前年から増加した項目である。特に非会員は前年度から65件増加しており、外資系大手ネット通販企業や、国内の化粧品・健康食品を取り扱う企業が目立った。また、会員社は前年同様の件数が苦情として入った。苦情の内容としては「注文キャンセルの電話番号にかけたが自動音声ガイダンスの操作がわからず、キャンセルができない」「問い合わせフォームを上手く送信できないし、電話もつながらない」「解約したいがネットでの手続きができない」等の相談が寄せられた。特商法では「確実に連絡が取れる番号」の表示が義務化されており、なかなか電話で連絡が取れない場合、問題視される可能性も考えられる。また、電話の対応が全て自動音声のみの場合も同様となる可能性があるので注意が必要だ。
特に会員社においては、自社の商品特性上のターゲット年齢を把握し、消費者と企業間で意思の疎通を図るツールは、どのような方法が有効なのかを再度認識し対応することをお願いしたい。「連絡がとれない」との相談は高齢者が多いことから、高齢者は電話での対応が、特に重要になる。
電話が話中の場合、自動音声でつながりやすい時間帯や他の方法を案内している企業や、コールセンターのシフトを工夫し応答率を向上させている企業もある。
企業と連絡を取りたい消費者にどのように対応するのか、サービス向上につなげていく方法は多岐に及ぶと考えられる。引き続き、より一層の取り組みをお願いしたい。
消費者相談室室長 萩原 典明