2025年12月17日
備蓄米を注文後、すぐにキャンセルを申し出たがことわられた

はじめに
コメの価格高騰が続く中、通販でも一時、政府備蓄米の注文が殺到しました。今回は、キャンセルを希望したが、手続きが進められなかったという事例を紹介します。
相談事例
注文直後のキャンセル不可に困惑
ネット通販で備蓄米を注文したが、店頭にもコメが並び始めたため、キャンセルをしたくなった。利用規約に「ご注文商品発送予定のご案内メール送信後はキャンセルできません」と書かれていたので、注文直後であればキャンセルできると思い、すぐに問い合わせフォームよりキャンセルを申し出た。すると「キャンセル不可」という内容の定型文がメールで送られてきた。
直接オペレーター(OP)に相談しようと電話をかけたが自動音声だった。音声ガイダンスに従って「注文後の変更・キャンセル」の番号を選択すると、「備蓄米の変更・キャンセルは承っておりません。本日はお電話ありがとうございました」と案内後に自動的に切れてしまう。OPと話ができず、個別の相談や意見を伝えることができない。相談した結果、キャンセルを受けないという回答ならば納得できるが、一方的にキャンセルが制限されていること、会社の対応が利用規約と異なることに憤りを感じる。
(非会員社)
処理内容
キャンセル手続きの案内が不十分
当該ショップの利用規約を確認すると「ご注文後の、注文内容の変更・キャンセルについては、注文受付から出荷までの手配の間、可能な場合のみ承ります。弊社より、『ご注文商品発送予定のご案内』のEメールをお送りした後は、変更・キャンセルはお受けできません」と定められていた。相談者はEメール受け取り前であり、キャンセルを受けてもらえる可能性もあると思われた。
試しに当該ショップに電話をかけると、「商品別に番号を選択してください」と音声ガイダンスが流れ、「1.備蓄米」、「2.家電製品」…と番号が案内された。「1.備蓄米」を選択すると、「1.注文後の変更・キャンセル」、「2.注文後の納期」、「3.その他」と問い合わせ内容別の番号が案内された。「1.注文後の変更・キャンセル」を選択すると、相談者の言う通りの案内後、自動的に電話が切れた。再度電話をかけ、ガイダンスに従い「3.その他」を選択すると、OPにつながった。キャンセルについて尋ねると「直接OPにつながる電話かチャットで問い合わせていただいたお客様には個別に対応している」との回答だった。「ガイダンスに従って『1.注文後の変更・キャンセル』を選択するとキャンセルできない。利用規約のキャンセル条件とガイダンスが異なり、消費者が戸惑う。キャンセル条件に合わせてほしい」と要望を伝えた。「ご意見について承知しました。社内で共有します」との回答が得られた。
相談者には、「キャンセル手続きがわかりにくいが、ショップは個別対応もしており柔軟な対応をしている。すでにキャンセルは望んでいないが、電話でご意見を伝えることもできる」とOPにつながる手順を案内し、ご理解いただいた。
消費者相談室より
事業者はわかりやすいコミュニケーションツールの提供を
消費者は慎重に注文の判断を
政府備蓄米の販売は、全国的な流通の遅れから、多くの事業者が納期遅延に直面しました。事業者は対応に追われる一方で、顧客対応が不十分となり、消費者に不満を抱かせてしまった事例の一つと言えます。キャンセル条件や手続きのわかりづらさは、消費者の不満を助長する要因ともなります。事業者には日頃から消費者視点に立ったわかりやすいウェブサイト構築や音声ガイダンス案内、トラブル発生時に柔軟に対応できる体制づくりなどが求められます。
類似の例で「電話をかけても音声ガイダンス案内のため解決できない」という相談もときどき入ります。相談内容によっては、問い合わせフォームを利用して文字で説明するより、直接OPと話をした方が速やかに解決することもあります。事業者には、消費者が簡単に相談や手続きが進められるコミュニケーションツールを提供してほしいと思います。
一方、消費者には、慎重に考えた上で注文するかの判断が望まれます。キャンセルは事業者に負担を与える要因となるため、安易に考えて注文することは控えるべきです。通販を通じて両者の信頼関係を築くために、ともに誠意ある対応を心がけていただきたいと思います。