デジタル化の進展により、サイバー空間が広がる一方で、ランサムウェア攻撃を含めたサイバー攻撃の数は年々増加し、更に高度化・巧妙化が進んでいます。このような中、政府全体としては、「能動的サイバー防御」の実現等、日本のサイバーセキュリティ対応能力向上に向けた法制度等に関する検討を加速させてきています。
経済産業省では、産業界をサイバー攻撃から守るために内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)等の関係省庁や所管する独立行政法人情報処理推進機構(IPA)とも連携をしつつ、産業界のサイバーセキュリティ対策の強化を促すための各種施策に取り組んでいます。
主なものとしては、以下が挙げられます。
・サイバーセキュリティ経営ガイドライン:社内でサイバーセキュリティ対策を推進するための経営者を対象としたガイドライン
・セキュリティサービス審査登録制度:一定の基準を満たす脆弱性診断等のセキュリティサービスのリストを公開
・JC-STAR(IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度):IoT製品に対するセキュリティ適合性を評価し、適合基準を満たすものにラベルを付与
・サイバーインシデント発生時の相談窓口:インシデント発生時の対応や平時のセキュリティ対策について専門機関によるサポート体制を構築
・中小企業の情報セキュリティガイドライン:中小企業の経営者・実務担当者向けにセキュリティ対策の具体的な手順等を示したガイドライン
・SECURITY ACTION:全ての企業に必ず実施していただきたいセキュリティ対策をまとめたもの
・サイバーセキュリティお助け隊サービス:中小企業のサイバーセキュリティ対策に不可欠な各種サービスをワンパッケージで安価に提供するサービス
なお、列記されていない施策もありますので、ご関心のある方は、以下の経済産業HPよりご確認ください。
https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/index.html
ランサムウェア等のサイバー事案が発生した際に迅速かつ的確な対応がなされるよう、平時から警察への連絡体制を整備するなど必要な取組を推進していただくようお願いします。
<対策例>
・サイバー攻撃対応マニュアル等に警察の連絡先を記載する。
・サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、初動対応における警察との連携について記載する。
(1) 被害発生時における速やかな通報・相談
ランサムウェア等のサイバー事案の被害が発生した際は、初動対応における被害拡大防止・復旧に向けた助言や暗号化復号ツールの案内等の支援が可能ですので、速やかに最寄りの警察署又は都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に通報・相談くださるようお願いします。
<参考:都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口>
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/soudan.html
(2) 初動対応における警察との連携
ランサムウェア等のサイバー事案発生時における初動対応におきまして、侵入経路や侵害範囲の特定のため、外部接続機器を中心としたログの保全に努めるようお願いします。なお、都道府県警察が捜査を開始するに当たっては、まずは以下の事項を聴取することになります。
・被害端末に関する情報(データの暗号化の有無、具体的な症状等)
・ネットワークの構成(ネットワーク構成図)
・インターネットに接続可能な機器に関する情報(機器名、利用状況、パッチ適用の有無)等
・業務への影響、復旧方針 等
警察は、被害情報の保秘を徹底するとともに、被害組織の復旧作業や業務継続に配慮しながら捜査を進めますので、ご協力をよろしくお願いします。
なお、JADMAでは、昨年作成した通販・EC事業者向けの『情報セキュリティポリシーテンプレート』を配布しています。リンク先からダウンロードし、貴社のセキュリティ環境整備にご活用ください。