2026年1月27日
第7回「次世代コマース大賞」 開催レポート

JADMA次世代コマース大賞 | 第7回

JADMA「次世代コマース大賞」 とは?
7回目を迎える「次世代コマース大賞(旧名:Next-generation Commerce Award)」 は、 EC分野において ユーザーのニーズに対応した先進的な施策を展開している事業者を表彰するイベントです。
EC通販・デジタルコマースをリードする企業の新しい取り組みを紹介し、通販業界のこれからの姿を探求します。
■第7回 表彰企業
・大賞 「試薬ダイレクト」 林純薬工業株式会社(https://direct.hpc-j.co.jp)


~化学薬品メーカーの林純薬工業が運営するオンライン試薬購入サイト~
【表彰理由】
従来、試薬購入には問い合わせや社内稟議が必要とされていた商習慣を打破し、ECによる直接購入の仕組みを構築。
これにより、承認プロセスの簡略化と決済の即時化を実現し、数日かかっていた購買業務を数分に短縮。
さらに、カートや見積もり機能とリアルタイム在庫反映により、BtoB小口即決領域で新たな市場創造を達成した。
・特別賞 「ポチスパ」 株式会社ふくべ鍛冶(https://pochisupa.com/)


~包丁研ぎを もっと身近に もっと簡単に~
【表彰理由】
従来、刃物専門店への持ち込みが主流だった包丁研ぎに対し、「ポチスパ」は宅配による職人手研ぎサービスを確立。
専用BOXの導入により、刃物を送る際の心理的ハードルも解消し、自宅にいながら熟練の技術を体感できる新しい生活スタイルを提案した。
さらに、サイト設計も情報が整理されており、ユーザーに優しい導線と明瞭な価格体系を実現している。
■イベント開催後記
受賞企業には、2025年中に盾をお届けに訪問、年明け2026年1月23日(金)に第7回目イベントの模様をオンライン配信しました。
イベントでは、今回“選出された理由”を各企業の代表より、自らの実践を通じて語っていただきました。
また、偶然にも今回の表彰企業はどちらも創立から100周年を超える老舗企業。通販という新たなチャネルを老舗企業が活用した事例として、大変参考になる講演でした。
なお、当日は長期寒波の影響で大雪の地域もあるなか、大阪府および石川県能登よりご来場いただきました。受賞企業の皆様、ご登壇ありがとうございました!
<大賞・試薬ダイレクト>
- お正月の内職からの小さなスタート!社内でも「社長がなにかやっているな」くらいの認知だった。

第1部では、本年度大賞のBtoB向けオンライン試薬購入サイト「試薬ダイレクト」を運営する林純薬工業株式会社より、代表取締役社長の和田 清之(わだ きよゆき)氏にご登壇いただき、試薬のプラットフォームをオープンするに至った背景や、今後の改革予定についてご紹介いただきました。
メーカーとユーザーの間に国内数百の販売店がいるのが当たり前の試薬業界では、主要メーカーの契約販売代理店も多く、取り次ぎ販売だけでは自社の成長に限界を感じたこと、また国内のBtoB市場が年々伸びつつあることなどを背景に、同社では2019年頃より新たなチャネルの構想を始められたとのこと。
なかなかエンドユーザーのイメージを持ちづらいBtoBで、”ユーザー視点への転換”をとくに大切にし、営業と一緒にユーザーの悩みをインタビューしにいくなど、多くの努力のもと生まれたのが試薬通販の試薬ダイレクト。
「現場担当者がすぐ買えない」という業界の商慣習を変え、研究現場のDXを推進した通信販売となりました。
<特別賞・ポチスパ>
- お客様から勝手に送られてきた包丁研ぎの依頼がきっかけ。「包丁研ぎは儲からないよ」と言われるなか、お客様からの手紙を信じた。

特別賞には、宅配による包丁の職人手研ぎサービス「ポチスパ」が選出され、イベントには株式会社ふくべ鍛冶の代表取締役の干場 健太朗(ほしば けんたろう)氏にご登壇いただき、”箱を送る”というユニークなサービスをスタートしたきっかけや、移動販売による地元能登とのつながり、クラウドファンディングの活用などをご紹介いただきました。
お酒を入れたひょうたん(ふくべ)をぶら下げて仕事をしていた初代のあだ名からとったという、「ふくべ鍛冶」。創業は明治41年。一人前の鍛冶屋になるための最初の修業が、包丁研ぎだったこともあり、自社通販のポチスパは”人を育てる”という課題の解決にもなったのだとお話しがありました。
日々お客様からの感謝の手紙も多く届き、修理を起点に信頼関係ができたことで、自社の商品も売れ始めたとのこと。いまではインバウンドでも大きく注目がされているようです。
今後はポチスパのシステムを応用し、自社だけでなく、広く伝統産業の修理部門のDX化に貢献していきたいとお話しいただき、今後益々の発展が楽しみな通信販売でした。

■イベント登壇者一覧
・大賞企業
和田 清之(わだ きよゆき) /林純薬工業株式会社 代表取締役社長
大阪府出身。1991年、神戸大学工学部卒業後、アサヒビール株式会社へ入社。
新工場建設などの生産技術業務に携わったのち、2008年に林純薬工業株式会社へ入社。
2018年3月より代表取締役社長に就任した。「試薬ダイレクト」は翌年の2019年に誕生。
また同社は2024年に120周年を迎えた。
・特別賞企業
干場 健太朗(ほしば けんたろう)氏 /株式会社ふくべ鍛冶 代表取締役
1980年生まれ、石川県能登町出身。大学で経営学を学び能登町役場に入庁。
地域産業の活性化や伝統文化の継承支援などの業務に携わる。
12年後、母の病死を受け家業で創業100年以上の鍛冶屋を4代目として継ぐ。
包丁研ぎの本格的な職人技を気軽に注文できる「ポチスパ(包丁研ぎ宅配サービス)」は、全国から年間2万本以上の注文がある。
・第7回選考委員
新井 範子(あらい のりこ)氏 /上智大学 経済学部教授
デジタルマーケティングを研究領域とし、特にSNS上での消費者参加型マーケティングやファンダム、デジタル空間での消費者行動研究を重点的に研究している。
大森 渚(おおもり なぎさ)氏 /株式会社オージュ・コンサルティング 代表取締役
早稲田大学⼤学院卒業後、㈱フェリシモでレディスファッションの商品企画、Webディレクターなどを経験。
2011年7⽉より、ブランド⽴ち上げや販売促進を中⼼に年間60社以上の⽀援に携わる。
2019年4⽉より自社アパレルブランドも運営。
・・・ほか、過去受賞企業等
■開催概要
催事名:第7回「次世代コマース大賞」
主 催:公益社団法人日本通信販売協会
会 期:2026年1月23日(金)
会 場:オンライン(Zoomウェビナーでのライブ配信)
★講演詳細はこちら
★前年度の様子はこちら